schizophrenia
統合失調症
統合失調症は、典型的には、幻聴や妄想(奇妙な思い込み)といった精神の変調のために、日常生活を円滑に送ることができなくなる精神の障がいです。育て方などは発症に関係なく、普通に生活していても発症することがあります。前駆期という少し元気がない時期を経て、特殊な症状が出現します。
原因は不明であり、原因に対する根本的な治療はありません。治療は対症療法になります。各種治療により改善することが知られていますが、再発することがあります。
当院では統合失調症に対する治療として、標準的な治療を行っています。
ご本人が感じる不調
- 自分の話を信じてもらえない、自分が信じていることをわかってもらえない
- 自分にしか聞こえない声や、自分にしか感じない感覚がある
- つかれやすい、元気が出ない、いろいろ面倒くさい
- 仕事、勉強がうまくできない
- イライラする、つらい
- 外に出たくない
- 周囲の人とうまくいかなくなった、周囲のことが信じられない
- 眠れない、食事がおいしくない
周囲の人が感じる不調
- 少し奇妙なことをしていて、理由を聞いてもよくわからない
- 何かを聞き入っている感じがある
- 以前に比べて元気がなくなった、楽しそうでない
- 仕事や学校に行かなくなった
- イライラしている、つらそうである
- 引きこもってしまう
- 周りの人とうまくコミュニケーションが取れなくなった、孤立している
- 寝ないし、食べなくなった
起こりうる症状のまとめ
こころの症状
- 幻覚(幻聴、幻視、幻臭)、奇妙な思い込み(妄想)、被害的な気持ち、意欲低下、考えがまとまらない、イライラ、怒りっぽい、憂鬱、不安、元気すぎる
からだの症状
- 疲れやすい、眠れない、食欲がない、体重減少、便秘
行動の症状
- 奇妙な行動、引きこもり、やることがまとまらない、最後までできない、身の回りのことができない、だらしなくなる、人との交流を避ける、物に当たる、暴言、暴力、自殺しようとする、水をたくさん飲む(多飲水)
最後に
統合失調症によく似た症状はほかの精神障がいでも見られることがあり、それぞれ治療が異なります。正確な診断は医師などの専門職の診察が必要です。
統合失調症に近いと言われている障がいには「妄想性障害」「短期精神病性障害」「急性一過性精神病」「統合失調感情障害」などがあります。それぞれ少しずつ症状と治療が統合失調症とは異なります。統合失調症とこれらの類縁疾患で約0.6%の人が医療を受けています。